2013-11-29

JICA WORLD REPORTER #20

JICAワールドレポーター更新。
最終発表



先日、最終発表が行われた。場所はロゾー市内のホテルの会議室。

これまで何度も最終発表を見てきたが、今回のように同時に5人もが発表を行うケースは初めて(5人同時に帰国するため)。そのせいか、聴衆席はいつになく超満員だった。逆に、メディアは少なめでテレビ1社、オンラインニュースサイト1社といったところだろうか。

心配していたというよりは想定内といった方が適切ではあるが開始は30分遅れ、各自の持ち時間は、隊員が10分、その上司が5分となっていたが、自分も含め多くの人がオーバーしたため、終了は予定よりも一時間以上遅くなったが、それも、ここドミニカでは予定通りといったところだろうか。

そして当然のことだが自分にとってこれが初めての最終発表であるだけでなく、会場を使ったちゃんとしたプレゼンをすること自体も、ドミニカに来て以来初めての経験である。現在の活動の業務柄、会議等でスライドを用いた説明を求められることは多々あっても、本格的なプレゼンをする機会は皆無であった。

活動自体も最後の大詰めで追い込まれてる中、プレゼン資料作りや話す内容を考えたりするのは正直なところ結構厳しいものがあった(もっと前からちゃんと準備しておけば良かっただけなのだが)。

面白かったのは、各隊員が行ったプレゼンの様子が、三者三様ならぬ五者五様であったことだろう。誰1人として似ている感じが全くしない。活動内容が違うから内容自体は異なるのは当然として、スライドそのものの作り方であったり、話し方であったり、導入部の惹き付け方だったり、主たる活動以外に取り上げるトピックであったりが全く異なっていて、見ていてこういう方法もあるのかと非常にためになった。



実際には帰国まで、すでに3週間を切っているのだが、まだまだ先のことのように感じていた。しかし、この最終発表が終わった途端、急に帰国が迫っていることに実感が湧いた。

まだ活動上やるべきことも残ってる。最後に行っておきたい場所もある。ワイツクブリ・ナショナル・トレイルも全セグメント制覇したい(以前の投稿参照)。

そして、そろそろ身の周りの整理も始めないと...

最後の最後は、少しゆっくりさせて欲しいというのが本音だが、そうさせてはくれなさそうだ。

ドミニカのオンラインニュース DAVibes に掲載された記事はこちらから。

2013-11-12

JICA WORLD REPORTER #19

JICAワールドレポーター更新。
多国籍軍




 所属部署のヘルス・インフォメーション・ユニット(通称HIU)は、現在15人で構成されている。今は、自分がここに来て以来最大の人数である。そして、15人の構成員のうちボランティアが8名を占めるという、業務の多くをボランティアに依存している。

ボランティアの国籍も、アメリカ、オーストラリア、チリ、地元ドミニカ、そして日本と様々である。今はいないが以前はカナダも入っていた。

また、かなりの頻度で世界銀行やカリブ共同体(CARICOM)から数名がやってきては数週間滞在しプロジェクトを一緒に進めている。

そしてこの部署のもう一つの特徴は、そのメンバーの出張の多さである。
最近、任国外旅行から帰ってきて久しぶりに出社してみれば、1/3が出張中だった。その行き先もバラバラでメキシコ、ブラジル、アメリカ、セントキッツ・ネイビス、セントルシアとのことだった。

そんな環境なので、全員が揃うことはまずない。この写真は、こちらに来て(もう2年半以上も経つが)初で唯一の貴重な集合写真である。

こう見えてもここドミニカではこれが正装で、このチェック柄はクレオールチェックと呼ばれている。クレオール・デーやインディペンデンス・デーといった公式行事の日には、多くの人がこの正装をする。これらの日については以前の記事を参照。



踊りは地元の伝統的なダンスだそうだが、それより、この施設と後ろの機材に注目して欲しい。最近出来たピカピカのこの施設は、ホワイトハウスさながらシチュエーションルーム(状況分析室)と呼ばれ、会議の他にもプレゼンテーションやカンファレンスなど多目的に利用されている。この施設もここHIUの所有物である。テレビ会議システムが備わっており、壁には3台の大型ディスプレイが掛けられていて、同時に世界中の3ヶ所と会議を進めることができる。その他ステージと可動式の大型スクリーン、音響設備、小規模会議用の小型のスクリーンとプロジェクターが常設されている。

現在進めているプロジェクトも最新のオープンソースで行っているし、ほとんどのスタッフが最新のノートパソコンを使用し、最新のハイスペック・サーバーでは、その上に現在10数個のバーチャル・サーバーが稼働している(つまりそれが可能なほどのスペックを持つサーバーを所有している)。現在、準備中であるが近く、このサーバーをもう一台、障害対策のため物理的に隔離した場所に設置し(ロゾーとポーツマス)、それらをクラスタリングする予定である。

発展途上国とはいえ、既にこのレベルである。正直な所、同規模の日本の中小零細企業の方が設備面で劣っている気もしなくはない。そんな環境でボランティアしているのは複雑な心境でもある。


とはいえ、各国援助等で機材等のハード面は充実していても、やはりソフト面は発展途上国である。ソースコードは、全くバージョン管理されていないは、単にデータエントリーするだけのスタッフが、国の重要な(であるはずの)保健統計データをいとも簡単に、まるで自分の作成したワードやエクセルファイルであるかのように、ファイル上書きできるような状況にあるはで、こちらがハラハラして見ていられないシーンも数多く遭遇している。

任期終了まであと1ヶ月 ほど。直近で渡されたタスクもまだ終わりそうにないが、こうしたソフト面・環境面での改善提案も最後にいくつかしたいものが残っている。さてと、ラストスパートしようか...
 
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