ようやくJICAワールドレポーター更新された。
冠婚葬祭(お葬式編)
こちらに掲載予定の記事を転載。そういえば、公式の方はいつかアクセス出来なくなるのだろうから、今後の投稿や既に掲載済みの記事もこちらに転載しとこうかな。
冠婚葬祭(お葬式編)
最近、立て続けに冠婚葬祭に出る機会があった。
まずは、お葬式から。
今住んでいる家の上階に住む大家のお婆さんが亡くなった。ここドミニカとマイアミに住む息子の所とを年に半部くらいずつ行ったり来たりしながら生活しているのだが、最近はドミニカに帰ってきていた。
声も大きく威勢の良いお婆さんで、前回マイアミに行く時に、今度いつ帰ってくるのかと聞くと、「そんなの分からない。私は自由だ。誰にも縛られない。」なんて言ってた。自分がデングにかかって家から出れなかった時にフルーツジュースを作って持ってきてくれたり、よそ者である自分のことを何かと気にかけてくれていた。
つい最近まで元気そうだったのだが、ある夜中に急に具合が悪くなって、近所の病院(彼女はそこで看護師として長年働いていた、自分の派遣先でもある)に運ばれそのまま入院。もっと近代的な医療をということで容態が安定してからはマイアミに搬送されたがダメだったようだ。
お葬式は教会で行われ、100人以上が来たろうか、彼女の人望の厚さが窺い知れる。遺族は彼女の生涯を綴ったパンフレットを手作りし全員に配っていた。何年にどこで生まれ、その後どう人生を辿ったかということが詳細に綴られているのだが、これをパンフレットにして配るというこの発想自体、凄い素敵だと思った。
式は、牧師の説教があったり全員で賛美歌を歌ったりと、通常の礼拝とそれほど変わらない印象だった。一時間半ほどたった式も終わり間近、募金の箱がまわってきたが強制ではない。入れる人もいれば入れない人も多い。このお金が遺族にいくのか教会にいくのかはわからないが、まず香典から始まる日本とは大きく異なる。
その式の後、教会裏手にある墓地には、すでに1メートルほどの深さで穴が掘ってあって、そこに棺のまま入れる。いわゆる土葬である。数人がスコップで埋めている間、みんなでまた歌を歌う。そして盛られた土の上を南国特有の大きく色鮮やかな花々で覆い尽くす。
不届きものの自分は、若き日に祖母の死に目にも葬儀にも立ち合えなかった。立ち合えなかったというよりもフラフラしていて家族でさえも連絡が取れないような生活をしてしまっていた。お婆ちゃん子であったにも関わらずその祖母の葬儀に参加しなかったことは、今も自分の中に後悔の念として消えてなくなることはない。
今回葬儀に参列して、この大家のお婆さんと自分の祖母とが重なってみえ、土葬の最中など息が苦しくてたまらないほどだった。自分の後悔の念も少しは和らいだろうか...
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