NPO法人 世界遺産アカデミーの島森 浩一郎氏を講師に向かえ、大きくは下記3つについてのセミナーが行われました。
- 2010年 世界遺産委員会での決定事項
- 「グローバル・ストラテジー」 世界遺産にに関して予想される今後のユネスコの方針
- 世界の観光産業とJICA
その中でも、個人的に関心があったものをいくつか...
■【新規世界遺産】 ビキニ環礁 -核実験となった海「マーシャル諸島」(ⅳ)(ⅵ)
決して観光スポットではなく、「負の遺産」としての側面を持つ。
1946-58年までの間、アメリカにより何と67回も原水爆事件が行われた地域。
1954年、日本のマグロ漁船「第五福竜丸」も水爆実験中に被爆。
ちなみに、「負の遺産」の代表としては広島の原爆ドーム、アウシュヴィッツ(ポーランド)、ロベン島(南アフリカ共和国)、ゴレ島(セネガル)が挙げられる。
アウシュヴィッツはナチ政権による強制収容所、ロベン島はアパルトヘイト政策による政治犯の強制収容所、ゴレ島は奴隷貿易の拠点。
今まで原爆ドームだけだった「核兵器廃絶を訴える遺産」に、今回ビキニ環礁が加わったことで強力な追い風となるかもしれない...
■【危機遺産】 エヴァーグレース国立公園(アメリカ)
きわめて貴重な生態系を保つ大湿原帯であるが、近年水位低下と深刻な水質汚濁により危機遺産リスト入り(1993-2007年の間も危機遺産リストに載せられていた)。
一般に危機遺産リスト入りとなる遺産は、管理・運営資金面で厳しい状況にある発展途上国にある物件が多いが、今回はアメリカが自らの要請で危機遺産となった珍しいケース。
BPの石油漏れも影響してるのかな。
■「グローバル・ストラテジー」 近・現代建築
フランス主導で6カ国で共同提案し「情報照会」で登録には至らなかった(2009年)、「ル・コルビュジエの建築と都市計画」。
タイトルも凄いです。この辺の感覚が今までの世界遺産候補物件には見られない傾向。
ちなみに6カ国は、フランスの他に、スイス、ドイツ、ベルギー、アルゼンチン、日本。
なお、インドを含む7カ国共同提案だったが、ギリギリでインドがドタキャン。
確かに、インドには町全体をプロジェクトとした新興都市チャンディーガルという大作があるしな~
ここが除かれたら世界遺産委員会も落とさざるを得なかったのかも。
もっとも白の時代だけでも、その後の世界中の共同住宅のあり方に与えた影響は計り知れないと思うのだけどな~
コンクリート打ちっ放しに深いブリーズド・ソレイユも好きですが...個人的に白の時代が好きなだけだろって(笑)
■ユネスコの「理念」
「心の中に、平和のとりでをつくる」
単なる観光地PRや環境保全だけではなかったのですね~。深いです。
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